2009-01-01から1年間の記事一覧

世界の夢、夢の世界

夢の中で夢を見た。さらに夢の中の夢でまた夢を見た。 ある出来事が夢だったと認識できるのは、その夢から覚めた時である。つまり、いくら目の前の「この」世界が疑わしくともそれが夢であるかを確かめることは、「この」世界ではできない。 世界についてあ…

『「神」という謎』

「神」という謎―宗教哲学入門 (SEKAISHISO SEMINAR)作者: 上枝美典出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2007/07/04メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 44回この商品を含むブログ (6件) を見る 宗教哲学の書籍は数多くあるが、なぜこのような入門書…

些細な混乱

あなたが「バイク」という言葉からイメージすることはなんだろうか。 私ならオートバイやモーターサイクルであるが、最近は自転車を意味することも多いらしい。 オートバイ関連の書籍を探しに本屋に行った際、バイクというタイトルの本を手にしてみたら自転…

萌える男

萌える男 (ちくま新書)作者: 本田透出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/11/07メディア: 新書購入: 1人 クリック: 65回この商品を含むブログ (183件) を見る 読後にこんなに嫌な気分になった本はいつぶりだろうか。とにかくイライラさせる本である。 はじ…

ケニア人はなぜ足が速いのか

マラソン大会にでたことはないけれど、よくジョギングをしている。最初はダイエットや健康目的だったが、体重が減ると目的もだんだんと変わってきて、今はどうしたら理想の体型に近づけるかに主眼をおいて走る日々である。ケニア! 彼らはなぜ速いのか作者: …

道徳ではくくれないもの

朝日新聞の記事で毎週連載の悩み相談がある。読者の悩みを著名人が答えるというものだが、何気なく読んでいたら唖然としてしまった。 その内容は大雑把に言えば、家庭を持ついい大人である相談者が女子高生相手に不埒な思いを抱いてしまい困っている、という…

だれが「○○」を殺すのか?

若者の活字離れ、などと言うけれど一体昔の大人たちはそんなに本を読んでいたのだろうか。甚だ疑問である。インテリならつゆ知らずここで気になるのは、はたして「庶民」がどれほど本を読んでいたかということだ。 本が読まれなくなった原因として携帯電話に…

幻の女

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))作者: ウイリアム・アイリッシュ,稲葉明雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1976/04/30メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 50回この商品を含むブログ (90件) を見る (ネタバレ注意!) ずいぶん評価の高いミステ…

どこか遠くへ

どこか遠くへ行きたい、と思うようになってきた。以前は旅なんてそんなに興味がなかったのに。 旅に関する本ばかり読んでいるからなのか、いや違う、旅に関する本にしても昔は関心がなかったはずだ。無性に旅がしたい。それどころか旅から帰らずにそのまま住…

旅と歴史

イラストクワイ河捕虜収容所―地獄を見たイギリス兵の記録 (現代教養文庫 1109)作者: レオ・ローリングズ,永瀬隆出版社/メーカー: 社会思想社発売日: 1984/06メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 久しぶりにフランクルの…

ペダントリー

黒死館殺人事件―小栗虫太郎傑作選1 (現代教養文庫 886 小栗虫太郎傑作選 1)作者: 小栗虫太郎出版社/メーカー: 社会思想社発売日: 1977/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (25件) を見る『黒死館殺人事件』 まさに衒学的の一言。…

最近読んだ本(3月中旬頃〜下旬)

ウロボロスの偽書 (講談社ノベルス)作者: 竹本健治出版社/メーカー: 講談社発売日: 1993/08メディア: 新書 クリック: 9回この商品を含むブログ (25件) を見る『ウロボロスの偽書』 デビュー作『匣の中の失楽』のような重厚な印象はないが、世界観はこちらの…

乱読

・推理小説ばかり読む 本ばかり読んでいると体に悪そうだが止まらない。一種の強迫観念のようなものか。虚無への供物 (講談社文庫)作者: 中井英夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 1974/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 238回この商品を含むブログ (95件…

『ハサミ男』について

評判が良さそうなので読んでみた。 まず気になったのが文章がひっかかる、というか私好みではないということ。慣れればそうでもないのだろうが始めはスラスラと読めなかった。 この小説はラストの意外性に重点を置いているが、それまでに続く過程にも伏線が…

「何が」から「なぜ」へ

*渦中にあって考えること 身に降りかかるあらゆる災いには原因があるものだが、いくら原因がわかったとしてもそれがどう結果に結びつくかがわからないことが往々にしてある。 因果関係というものは原因と結果の間にブラックボックスを通過するようなもので…