衝撃のデビュー作
・「神狩り」について
「ミステリ・オペラ」を読んでまあまあ面白かったので、山田正紀のデビュー作である「神狩り」も読んでみた。
非常に驚いたことは、とにかくつまらないということ。情報工学の学者が主人公なのだが、こいつが科学者のくせにまったくといっていいほど科学的思考をしない。最後のほうなんかは敵に対して「お前の念力は封じた!」みたいなことを言ってるし。ストーリーもやたらと人が死ぬために一人ひとりのキャラが中途半端になってしまっている。一番腹立たしいのは、主人公が恐ろしく頭が悪く、人間の言語にあてはまらない記号(文字)=神のメッセージみたいなことを平気で言ってのける神経である。おそらく簡単に新興宗教にハマるタイプだろう。
冒頭でヴィトゲンシュタインが出てきて期待した自分がバカだった。
- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976
- メディア: 文庫
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