量子論的世界観

多世界解釈について
現代物理学における量子論では「多世界解釈」という考え方があって、現に目に見えている、というか今ここにある世界以外にも同時並行的にあらゆる世界が存在するという考え方がある。
例えばAという人間が今日の昼過ぎに自販機でコーラを買ったとする。結果的にAはコーラを買った世界にいるわけだが、Aが今日コーラを買わなかった世界も並行的に存在するのである。それと同じようにAが風呂に入らなかった世界、電話しなかった世界、他人を殴った世界なども無数に存在する。
これだけ聞くと、ただいろんな世界があって、Aは他の世界と無関係のようにみえるが、一見なんの関係もなさそうなあらゆる世界がAの現実世界に影響を及ぼしているのである。Aが人生において幾多の選択肢にぶつかり、なんらかの方向へ進むときに、Aが選ばなかった人生の影響をA自身が受けるという奇妙な「物理現象」が多世界解釈である。
この非常識な世界解釈はミクロ(電子や素粒子)の物理現象をマクロ(人間や社会)に当てはめたゆえにできた解釈なのだが、気味が悪いと同時に夢のある解釈だともいえる。
過去に別れてしまった恋人や会えなくなった友人と、いまだに付き合ったり遊びにいったりする世界が同時並行的にあるのだから。そしてそれらの世界から常に影響を受け続けて今の自分の世界があると思うと不思議な感じがする。