虹とスニーカーの頃

この前、職場の園長が外にちらちらと降る雪を見て「サボテンの花」を歌っていた。
歌詞が微妙に違っていたけれど、歌そのものはなかなか良かった。
世間ではチューリップといえば「心の旅」が代表曲のようだが、なんだかなあ。確かに「心の旅」はいい曲なんだけど僕はそんなに好きなわけではないから複雑な気持ちである。誰かと音楽の話をしていて、僕が「チューリップが好きなんです」というと相手は必ず「心の旅」を想像するもんだからこっちとしては、「いや、そうじゃなくて他の曲がいいのであって「心の旅」はそれほどでもないんで…。」と、いいたいけどいえないのがもどかしい。
チューリップの魅力はなんといっても姫野の甘〜いボーカルと、財津のヘナヘナしたボーカルがすべてだと思う。姫野のキャッチフレーズは「永遠の17歳」である。今ではすでに中年の域であるがその歌声はやはり17歳!。姫野が歌う「ぼくがつくった愛のうた」はもうタマランです。甘くて甘くて、聴く者がいつしかとろけてしまうこの歌は甘酸っぱさと切なさを兼ね備えているのでした。ホントにラブリーです。
で、財津。
「心の旅」がどうのこうのといってしまった僕だが「青春の影」は大好きで、ディープなチューリップファンに怒られそうである。この曲での財津の声は危ういまでにヘナヘナしている。この「危うさ」がものすごくイイ。最近気付いたのだが、財津の歌唱法をさらにつきつめて「危うく」すると『あがた森魚』に行き着くと思うのは僕だけだろうか?あがた森魚の「赤色エレジー」の「ぼ〜く〜は天使じゃないよ〜〜♪」って感じを財津もやろうと思えばやれそうな気がするのが怖い。

その昔、別れた相手かなんかの結婚式で「ともだちのあなただから」を流したら面白いだろうなと思っていた自分が懐かしい。あ、懐かしいといえばやっぱり「虹とスニーカーの頃」という曲で、チューリップを一番よく聴いていた頃、僕は歌に出てくるような白いスニーカーを履いてました。「あのスニーカーはもう捨てたかい♪」という歌詞どおり僕はあのスニーカーを捨ててしまった。青春ですなぁ。

シングルス

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PS.『すべて君たちのせいさ』というアルバムはCD化されているのでしょうか?わかる人がいたら是非教えてください。あのカヴァー集をレコード以外でどうしても聴きたいのです。