擬態
*色に染まるということ
転職してから一ヶ月半が過ぎた。着る服も、人付き合いも、酒の飲み方も変わった。
こうも変われるものかと自分でも驚いている。不思議なものだ。
『秒速5センチメートル』という青春もののアニメを観て、なんともいえない気分になった。素直に感傷に浸るのでもなく、だからといって毛嫌いするわけでもなく。
この映画は山崎まさよしのOne more time,One more chanceという曲がテーマ曲で、10年ほど前にリアルタイムでこの曲を聴いていた自分としてはそれだけでグっとくるものがあった。
内容的にはとてもストレートでセンチメンタルな恋の話なのだけれど、前半と後半のテンションがガラリと違うので観ているこっちはあっけにとられるのである。おまけの監督のインタビューで「速度」を大事にしているようなことを言っていたが、なるほどな思わせられた。
この映画は変な期待をもって観てしまうとつまらないだろうと思う。自分の場合、十代の甘ったるい恋愛を描いた、まさに十代向けの映画だという先入観で観たので予想外に面白かった。ストーリーを追うのではなく、何も考えず綺麗な映像を眺めているだけでも価値があると思う。
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